信仰はどのように生まれるのでしょうか。

フィンランド語原版執筆者: 
ヴィッレ・アウヴィネン(フィンランド神学協会、神学博士)
日本語版翻訳および編集責任者: 
高木賢(フィンランドルーテル福音協会、神学修士)

人を救いに至らせる信仰は、人間の内部に自然に備わっている特性などではありません。
信仰は人間の外部から与えられる神様の賜物なのです。
人間は、自分の力では信仰を生み出すことはできないし、信仰に入る決断をすることもできません。
人間は神様の御業に全く依存している存在だからです。

神様は恵みの手段を通じて信仰を生んでくださいます。
恵みの手段の中心的な役割を担うのが神様の御言葉です。
信仰をもたらす御言葉が、洗礼においては水に結びつき、聖餐においてはパンとぶどう酒に結びつき、懺悔(ざんげ)においては懺悔を受ける人への罪の赦しの宣言に結びついています。

聖霊様は神様の御言葉を通じて、人間に語りかけ、人間の心のうちに来られ、そこで信仰を形作ってくださいます。
信仰を生み強めることが聖霊様の主要な職務です。

もしもあなたが、「自分は信じているのだろうか」、とか、「自分の信仰で十分なのだろうか」、などと思い悩んでいるなら、あなたの信仰が強められるように神様にお願いすることができます。
これは、神様がいつでもかなえてくださる祈りのひとつです。
「自分でどう感じているか」、とか、「自分はどのような経験をしたか」、ということについて思い悩む必要はまったくありません。
「私の感情や経験とは関係なしに、神様は私に信仰を与えてくださる」、と安心して信頼してください。

聖霊様は教会を通してイエス・キリストが救い主であることを明瞭に示し、あなたにも罪の赦しの恵みが十分に与えられることを保証してくださいます。

信仰とは、自分自身であれこれ努力することではなく、人間のうちで行われる神様の御業なのです。

「信仰は聞くことによるのであり、聞くことはキリストの言葉から来るのである。」
(聖書のローマの信徒への手紙10章17節)

   詳しく見る、信仰のABC、8.1.方向転換