第6章 救い
「見ず知らずの他人が私の罪の責任を取らなければいけない」というメッセージを聞いて「ずいぶん馬鹿げた話だなあ」と以前私は思っていた。「大人なら自分のことはちゃんと自分で責任を取るべきだろう」と。
しかし、自分自身や家族や他のどんなことに関しても私の望み通りにはいかなかったことを今になって思いかえしてみると、私の失敗の数々を記した「負債書」を帳消しにして「すべて支払いは済みましたからここにあなたの署名をしてください」と誰か書いてくれないかなあ、と思うようになった。こんなことは自分ではできないし。